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カテゴリー ダメダメ家庭が子供に与えない体験,境遇
配信日 05年12月7日 (11年2月14日 記述を追加)
タイトル 社会的信用
ダメダメ家庭の問題を考えるのによく使う言葉が、スパイラルという言葉です。
最初は小さなダメダメでも、それを放置したり、一つのダメダメが別のダメダメと結びついて、大きなダメダメになり、やがて身動きが取れなくなってしまう。
このスパイラルは、比較的短期間で進行するものもありますし、世代に渡って進行するものもあります。
今回は、世代に渡って進行するダメダメを考えてみましょう。

ダメダメな状況においては、世代に渡って、どんどんと、社会的「信用」がなくなっていくことになる。
だって、そもそもダメダメな人間は会話の能力がない。会話の能力がないわけですから、周囲の人に自分のことを分かってもらうことだって難しいでしょ?それに会話の能力の低さは、やり取りの相手への説明能力の低さだけではなく、聞き取り能力の低さの面もある。スグに話を誤解するような人と誰が話をしたいと思うの?
そんな会話能力の低い人が社会的成功を収めるのは難しいですよね?

社会的な成功に到達する以前にも、説明能力や聞き取り能力が低ければ、個人同士の相互理解にも至っていないでしょ?相互理解があれば信頼関係につながることになる。だって、相手方のことが分かっていれば、それは信頼といえるでしょ?逆に言うと、相互理解がなければ、相手を信頼することはできませんし、そんな人は、個別の人から信頼されないだけでなく、社会的に見て信用されないものでしょ?
ということで、ダメダメ家庭を作る人間は、まずもって、その人自身に信用がない。

そんな人間が唯一できることと言ったら、子供を作ること
しかし、頻繁に触れていますが、ダメダメ家庭の親は、子育てに被害者意識を持っている。だから、そんな家庭には、「オマエを育てるために、ワタシの人生を棒に振った!」という言葉が飛び交っている。
そんな被害者意識の強い親なので、子供のピンチの際にも、いたって他人事。
「自分のことは自分でなんとかしろ!」「いったい、いつになったら、ワタシに面倒を掛けないようになるんだ?!」と、そんな調子になっている。
『何とかしろ!』って、言われてもなぁ・・・子供というものは対応にも限界があるし・・・と子供も思いますよね?

そもそも未成年というものは、買い物をするにしても、保護者の承諾が必要だったりしますよね?それだけ、信用がない存在といえます。そのような信用の低さはマトモ家庭の子供だって同じ。
しかし、マトモ家庭だったら、子供自身に信用が不足していても、その不足分を親が補うことになる。しかし、ダメダメな親はそうは行かない。だって、ダメダメな親は、そもそも「自分は子供による被害者」という認識なんですから、そんな親が子供の信用の不足分を補うわけがないでしょ?

だから、ダメダメ家庭では、子供は親を頼れずに、「自分のことは全部自分でやる。」「親は頼れない!」と常に気持ちがテンパっている状態となっている。
「トラブルになっても親は頼ることができない。」と、親を全くあてにしていない。それどころか、「ちょっとでも親に迷惑が掛かってしまったらタイヘンなことになってしまう!」と、恐怖心が入った感覚を親に対して持っている。

ダメダメ家庭の親は、子供にしてみれば、保護者ではなく、支配者という位置づけになっている。保護者だったら、面倒を持ち込んでも対処してもらえますが、支配者だったら、面倒を持ち込むと切り捨てられるだけですよ。ヘタをすれば、弾劾されるだけ。
逆に言うと、「親に迷惑をかけないようにしなければいけない!」と常に言っている人は、自分の親を支配者の範疇で認識しているわけです。だからこそ、気持ちが張りつめている。
しかし、こんなに気持ちが張り詰めていたら、疲れちゃうでしょ?
こんな状態だったら、子供だって問題行動を起こしたりしますよ。

しかし、子供がそんな問題行動を起こしても、ダメダメな親は、やっぱり「我関せず」状態。むしろ、「また、子供のせいで、面倒なことに!」と被害者意識が膨らむばかり。だから子供に対し何もフォローしない。トラブルになった際に、周囲からのフォローやサポートがない子供を誰が信用するの?
子供のトラブルに際し、親が出てきてサポートすると思っているから、周囲の人はその子供を「それなりに」信用するわけでしょ?

それに、保護者からのフォローなりサポートがないんだから、子供だけで対処する必要があり、どうしても対応が過激なものになってしまう。だって、子供という存在は、トラブル対応の実績を踏まえて、余裕をもって対応することなんてできませんよ。どうしても、気ばかり焦ってしまうことになってしまうでしょ?
そして、気ばかり焦って過激な対応をすることで、そんな子供に対して、あるいは、その家庭に対して、ますます信用がなくなっていくことになる。

そうなった段階で、その子供も自分自身を見つめてやり直す決心をすればいいのでしょうが、そう簡単にはいかない。そもそもダメダメな親は何事にも当事者意識がなく被害者意識だけがあるもの。そんな親がよく言う言葉が「政治が悪いんだ!」「だから私たちが上手く行かないんだ!」というもの。
そのような言葉を聞かされ続けているので、今度は「悪い政治を正すことによって、問題を解決しよう!」と考え、政治と関ろうとするケースもあったりします。自分自身の問題を、政治によって解決しようなどと考えたりするんですね。しかし、やっぱり、いざ政治と関わろうとしても、親譲りの会話の能力の低さはいかんともしがたい。それに当人の問題の原因の大部分は、政治の不始末というより、当人たちの問題の方が大きいでしょ?だって今の政治状況でも上手くやっている人だっているわけですからね。

結果的に当人の主張が受け入れられず、トラブルが解決せず積み重なって行くので、その言動がますます過激になってしまう。だって、そもそも、会話によって人を説得することができないわけですからね。それに親譲りの被害者意識が加わると、何か自分にマズイことを言われると、スグに逆上してしまう。話の中身がちょっとでも自分に不都合になってくると、逆上して、「アイツが悪い!オレは悪くない!オレは被害者なんだ!」と連呼するだけ。
話をしていて、ちょっとのことで逆上するような人間を誰が信用するの?

何も政治にかかわるケースばかりではありませんが、被害者意識が強いダメダメ人間は、自分自身の問題の原因を他に転嫁することも多い。
そんな人間をマトモな人間は相手にするわけがないでしょ?
ということで、そんな人間と相手になってくれるのは、グチっぽいダメダメ人間。
そんなグチ人間同士が結ばれて・・・唯一できるのは、子供を作ること。

しかし、親譲りの当事者意識の欠落があり、そもそも当人だってマトモな子育てを受けていないわけですから、そんな人間がマトモに子育てをするのも難しいでしょ?自分自身のダメダメの自覚があれば、まだ何とかなりますが、そんなケースは非常にレアケース。
そもそもダメダメ家庭は自己逃避的であり、自分自身について分かっていないもの。
ダメダメ家庭出身者としての自覚があれば、逆に言うと、子供を作る際に、もっと慎重になりますよ。
だから、ダメダメ家庭出身者は自分が親になっても、自分の子供がピンチの時に、まさに自分の親がそうだったように、やっぱり「我関せず」の傍観者。そのような、親からのサポートがない子供を誰が信用するの?
信用のない人は、自分の信用のなさを他人のせいにするにするもの。その他人を非難するばかり。だからますます信用をなくす。ということで、信用のなさが世代に渡ってどんどんスパイラル進行することになる。

また、ダメダメ家庭の人間は、社会的信用のベースとなる信頼そのものが心理的に理解できない。別のところで書いていますが、他者という存在を認識する心理的なベースを持っていない。だから、他者との間で達成される肯定的な関係といえる信頼という認識をもちようがない。
ダメダメ家庭の人間が、なんとか理解できるのは、好意という個人的な感情次元にとどまってしまう。
信頼は持続を前提にするものであって、好意は断片的なもの。
好意を積み重ねても、信頼に直結するものではないし、それが社会的信用になっていくものでもないでしょ?

その人が信頼を志向しているのか?それとも好意に目が向かっているのか?
それはちょっとやり取りをすればわかるものですよね?
それこそ、子供につける名前においても、信頼に目を向けたものなのか?好意に目を向けたものなのか?その点は違いがあるでしょ?信頼を志向し、保護者としての背景を感じさせる名前って、現実にあるでしょ?
何回も書きますが、好意は断片的な感情であり、たとえ肯定的なものといえても、それが持続することを前提としていない。
だから、好意志向の名前ということは、人と信頼関係を重視していないということ。
あるいは、断片的であり、持続性を重視していないということ。
そんな断片志向の名称を持つ人間は、社会的信用という面においては、ハンディになるだけですよ。

信頼を重視していれば、周囲に対するアピールも、成果というか実績を語ることになりますが、ダメダメ人間は、好意しか理解できないので、「ワタシはこんなにかわいそうな人間なのよ!だからワタシを好きになって!」というかわいそうアピールになってしまう。
「かわいそうな人」に対して一時的な好意を持つことはあっても、持続する信頼に至るためには、そんなアピールは逆効果でしょ?
だから、やり取りをしてくれる相手も、ますます信頼とは無縁のダメダメ人間ばかりとなってしまう。信頼が理解できない人間同士のやり取りによって、ますますその人自身なり、その家庭の社会的信用がなくなってしまう。

学生が就職するにあたって、縁故採用のケースがあったりします。それって、あまりほめられたことではありませんが、現実的に考えれば、その学生の親がそれなりの信用があるからでしょ?
信用がある親だったら、その子供が就職して、仕事でミスを犯しても、親が色々とフォローすることが期待できますよね?そのような環境だったら、就職した人間だってノビノビと仕事ができますよ。だから成果もあげやすい。だからその家庭の信用がスパイラル的に増大していくことになる。

そのような、信用が増大する方向でのスパイラルもあるわけです。それはそれで認めればいいでしょ?そんなスパイラルに対し「ケシカラン!不公平だ!」と言いたいのは分りますが、せめて自分の子供の不始末を、フォローするような親であるように努力する必要もあるでしょ?
しかし、ダメダメな親は、「不公平だ!」と文句をいうばかりで、周囲から信用を得ている親たちを見習って、自分の子供に対してサポートをするわけでもない。そんな親の元で育った子供に信用がないのは当然なんですね。

だから、子供としては、せめてその点を自覚するしかない。親の信用度は保険のようなもの。親に信用がないならないで、別の方法で自分の信用をつけて行くことを考えて行くしかないわけです。
結局は、自分なりの実績を積み重ねていくしかないんですね。自分なりの業績がその人の信用を作ることになっていきますよ。
しかし、ダメダメな人間は「ワタシは差別されている!」「ワタシはこんなにかわいそうなのよ!」と、かわいそうアピールに力を入れ、ますます社会的信用から遠くなってしまい、それがどんどんとスパイラル進行していく・・・ものでしょ?

(終了)
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発信後記

大騒ぎになっています、マンションなどの設計強度の偽造事件ですが、あの日本ヒューザーの社長さん・・・見事なまでにダメダメ家庭出身者ですね。
色々と無責任で突拍子もないことをやっておられますが、彼の心理の基本になっているのが、これ。
「オレが一番の被害者なんだ!」
たぶん、あの社長さんの実家が、重症のダメダメ家庭なんでしょう。子供に被害者意識を植え付けたわけ。

「自分が一番の被害者だ!」と思っているので、他者の被害には無頓着。「悪いのは全部○○のせいだ!」と、お約束の心理。彼が、その○○に何を当てはめているのかはわかりませんが、「自分」でないことは確かでしょうね。

被害者意識だけがあるダメダメ家庭の出身者は、無自覚だと、あの社長さんと同じようなことをやっているものなんですね。信用を重んじる、ちゃんとしたマトモな親の元で育つと、子供も自分の信用を重んじるわけですから、やっぱり周囲からの信用も出てくるわけです。
当然のことですよね?
R.11/2/14