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カテゴリー ダメダメ家庭にないもの
配信日 05年6月1日
タイトル 遊びを知らない
ダメダメ家庭では、何事につけて「費用対効果」などと言い出し、確実に回収が見込めることしかやらない・・・そのことについては以前に書いています。
だから、ハメをはずして遊ぶようなこととは無縁となるわけ。

「そんな遊びが何に役にたつんだ!?」
「ムダなことは許さん!」
「もっと堅実に生きるべきだ!」
おっしゃることは、確かにそうでしょう。
遊んでいるばかりは問題ですよね?

だからと言って、遊びを全然知らないのも問題でしょ?
ダメダメ家庭というものは、家庭や子供から「遊び」がなくなっているわけ。
もちろん遊びが全然ないわけではありませんが、マトモ家庭に比べると大変に少ないわけです。

子育てを親である自分が背負わされた被害であるとみなしているダメダメ家庭の親は、子供が遊んでいることを、許さないものなんですね。
「親のことなんか無視して、子供同士で勝手に遊べばいいじゃないの?」という意見もあるでしょうし、確かに、論理的にはそうとも言えますが、子供にお金がなければ、遊びだって、現実的に難しいものでしょ?
遊びだって、無料でできるものばかりとは言えないでしょ?
それこそ、ゲーム機のようなものだって、無料で買えるわけでもない。
子供同士の付き合いだってありますからね。

そのようなお金の問題だけではありません。
ダメダメ家庭を作る親には被害者意識がある。
だから、自分の子供が無邪気に楽しそうに遊んでいるのが心情的に許せないわけ。
「一体、誰のためにこんな苦労をしていると思っているんだ!?」
ダメダメ家庭を作る親の、いつものセリフです。

子供が楽しそうに遊んでいる姿を見ると、
「自分を苦労させている張本人である自分の子供が、楽しげに遊んでいる!」
「そんな理不順なことが許されていいものか?!」
と、日頃からの被害者意識を刺激され、子供に対して不満を持つことになる。

そんな不満から「オマエは何を楽しそうにしているんだか・・・」とか、「子供はお気楽でいいねぇ・・・」とか、「オマエが遊んでいられるのは、誰のおかげなんだか、わかっているのか?」などと、遊んでいる子供に対してイヤミを言うことになる。

そのような親の意を汲んだ子供が、親に気を使って、自主的に「遊びから遠ざかって」しまうわけ。
子供が遊びから遠ざかると、怪我をするなどのトラブルだって置きにくくなりますよね?
お金だって、せびられることもなくなる。
親としては大助かり!

そもそも、子育てを被害だとみなしているダメダメな親は、子供がちょっとしたトラブルを起こし、親としてそのフォローをするハメになると、逆上気味になってしまう。
「ただでさえ、子供には面倒をかけられているのに、さらに面倒を増やしてしまって!!」と怒ることになる。
ちょっとのことで、責め立てられることになると、子供だって、遊んでいる心理的な余裕もありませんよ。
後々のことを考えて、親の事情に配慮して、トラブルにならないように、慎重に行動しながら、遊ぶ・・・って、もはや論理矛盾でしょ?

しかし、子供時代に遊びをしないで、いつになって遊ぶの?
子供時代の反動で、思春期になって夜遊びをするしかないでしょ?
思春期に「ほどほどの」夜遊びをするくらいならまだしも、ほどほどというものは、逆に言うと、その前の段階で、ある種の「ひな形」ができているからこそ、感覚的にわかるもの。
子供時代に遊びをしていないと、遊びの加減もわからない。だから、思春期における遊びにおいても加減なしに暴走してしまったりする。
逆に、暴走もなしに、遊びとは無縁のまま、社会に出たり、結婚してしまったらどうなるの?

そうなると、他の一般の社会人とは話が合いませんよ。子供時代の遊びの話なり、あるいは若い頃のオバカな話は、ちょっとした雑談の格好のネタでしょ?それに話のネタというだけではありません。遊びというものは、心の余裕ですね?子供時代に心の余裕と無縁だった人間が、どうやって他人とコミュニケートするの?
子供時代に心の余裕と無縁だった人が、大人になって、余裕を持ってやり取りができるの?
大人になったら、なおのこと、成果を出すことが求められるでしょ?
ということで、社会人になったとしても、結果は見えていますよね?

遊びを知らないまま社会人になったりすると、結果は見えてしまう。だから逆に被害も小さいわけ。だってホームレスにでもなったり、自殺するだけでしょ?本人だけの問題ですよ。まあ、犯罪者になる例もあるでしょうが。

問題は、結婚したりするケースです。それこそ、女性だったら、なんとなくのフィーリングで結婚してしまうダメダメ家庭出身者の例も現実として多い。
そして、遊びを知らない状態のまま、子供を作ったりする。
と言うよりも、そんな人間ができるのは子作りくらいなのが現実。

遊びというものは、何か結果を出す目的で遊ぶわけではないでしょ?
結果を出す必要がない・・・それが遊びというものですよね?
しかし、遊びの経験がなく、心の余裕とは無縁であるがゆえに、「結果を出さないといけない!」「費用対効果が重要!」なんて無意識的に、習慣的に思っているわけ。というよりも、それは常識のレヴェルになっている。
そんな人が親になり子育てをする。
そんな人に育てられる子供はどうなるの?

子供だって、親から遊びの習慣を得られるわけはありません。だって、親自身が遊びを知らないわけですからね。
それに、「結果を出さないといけない。」ことが常識化し習慣化している親に育てられたら、子供が考えることは決まっています。
「育ててもらった結果を出さないといけない!」
鎌倉幕府の「ご恩と奉公」の精神です。

そもそも、家族の間のちょっとしたやり取りにおいても、「そんなことをして何になるんだ?」「それで、どんな成果が出るんだ?」と質問されることが習慣化している。そんな質問は、その質問する側が、子供時代にいつもされてきたこと。
だから、そんな言葉や質問が「自然」に出てきてしまう。
そんな質問が習慣化されているので、質問される子供の側は、その質問に対する答えを常に準備するようになるし、準備できないものは、手をつけなくなるのは、理の当然でしょ?

大人同士なら、そんなビジネスライクな「ご恩と奉公」の考えも当然といえば当然といえるでしょう。
しかし、子供時代からそんなに「結果を出さなければいけない!」なんて気持ちが張り詰めていたら、疲れちゃうでしょ?
かと言って、疲れた心を癒す「遊び」とは無縁。

遊びを知らない人間が社会人になってしまったケースでは、結果はスグに出てくるわけ。
しかし、遊びを知らない人間が家庭に入ってしまうと、結果は次の代となってしまうわけ。
こっちのケースの方が厄介でしょ?

しかし、遊ばない大人は「真面目」とかの高評価を受けたりするものでしょ?
だから、周囲からの指摘も入らず、当人自身にも自分の問題点が自覚できにくい。
しかし、その「真面目」な大人の横にいる子供にとっては、プレッシャーそのものなんですね。

それに、遊びがなくなっていれば、当然のこととして、その大人だって面白くない。
「あ〜あ!生きていてもツマラナイ!」と子供の前でグチることになる。
そんな家庭だったら、子供だって、親に懐きませんよ。となると親はますます面白くない。
だから、「こんなにツマラナイのは子供のせいだ!」と、持ち前の被害者意識がスパイラル的に増大して、子供に「報復」することになる。

虐待家庭が「一丁あがり!」というわけです。

子供時代の遊びの話ができないような人は、確実にダメダメ家庭の出身者です。
本人が自覚しているなら、まだマシですが、本人の自覚がない場合には、ヘタに近づくととんでもないことになっちゃうわけです。

(終了)
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発信後記

ちょっと前のことですが、放送局のTBSのコラムの盗作騒動がありました。
盗作がいいわけがありませんが、そんな盗作が「発見されない」ことの方が問題。だって、その文章を誰も読んでいないということでしょ?
まあ、メルマガだって、発行しているうちで実際に読まれているのは半分くらいでしょうね。
別にそれでも結構ですが・・・興味のある方が参考になればそれでいいわけですし。

最近、スパムメールでメルマガ方式というか連作方式のスパムメールが来ます。
「井川りかこ」メールというらしい。スパム業界では新興勢力としてブイブイ言わせているようです。興味のある方はネットで検索してみてくださいね。
ただ、ホットメールのアドレスからホットメールのアドレスに来ても、本気にする人はほとんどいないでしょうが。

ただ「読ませる努力」はある意味感心します。コミュニケートの意欲は見習うべきもの。
こんな「出会い系」のスパムメールを工夫するよりも、もっと別のことに意欲を使えばいいのにね。
R.10/11/19