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カテゴリー ダメダメ土曜講座(人物編)
配信日 09年1月24日
タイトル 現在の日本の首相の麻生さん
このメールマガジンで、政治家の方々について言及することがあります。
政治家とダメダメ家庭は結びつきやすいもの。
それなりに「頭がいい人」が、その能力を発揮できない境遇になると、「悪いのは政治のせいだ!」と政治を犯人認定するようになる。そしてそれを自分の子供に語るわけ。
そんな親の言葉を聞いて育った子供が、「このボクが、この政治を変えよう!」という意思を持ち、政治家を志すようになる。
政治家の言動からは、そんなパターンが見えたりするわけ。

もちろん、すべての政治家がダメダメ家庭の出身ではないでしょう。
ただ、政治家の言動を見ると、そこにその出身家庭が持っていた当事者意識の欠如とか強い被害者意識が見えることが多いんですね。

さて、今回取り上げる、今現在、日本で首相をなさっておられる麻生さんは、ダメダメのメンタリティを持っているとは言えない。彼の発想の土壌は、マトモですよ。彼にはそれなりの当事者意識があるし、強い被害者意識を持っているわけではない。
ただ、土壌がマトモであっても、じゃあ、首相としての能力があるか?成果があげられるのか?というと別問題。

それなりのマトモな土壌なのに、麻生さんの現状としては、ダメダメな様相を呈してしまっている。
今回は麻生さんを例にしながら、ダメダメ家庭出身ではないにせよ、ダメダメな様相が出てきてしまう「流れ」を見てみましょう。


麻生さんの言動から明確に見えるのが、「人の話を聞くことへの苦手意識」です。
彼は、人の話を『聞く』際に、まずもって心理的にプレッシャーを感じているんですね。

もともと麻生さんは、その出身身分からして、「人の話を真摯に聞く」必要がない立場と言えます。
それはそれで結構なこと。
かと言って、首相ともなると、そうは行かない。
首相ともなると、周囲の人からの要望も多いでしょう。それを聞き、適宜自分で判断して、命令を出す・・・それが首相の仕事でしょ?

かと言って、麻生さんは、子供の頃から人の話を真摯に聞く訓練を受けていない。だから「どのような態度で人の話を聞いていいのか?」わかっていないわけ。

彼が、人の話を聞きながら考えるのは、「今現在、話をしている人が、自分の味方なのか?敵なのか?」という点のみ。
「敵か?味方か?」の判断ができてしまえば、もうそれ以上は、発言者の言葉は聞いていないわけ。

だから、漢字の読み間違いが頻発することになってしまう。
漢字の読み間違いなんて、学力の問題ではないわけ。人の話の言葉を聞いていれば、「あれっ?アイツはオレの知らない単語を使っていたぞ?その単語はどんな意味なのかな?」と疑問に思って、後で調べますよ。そうしたら、自分自身の読み間違いも気づくことになる。

しかし、麻生さんは、人の話を聴覚的には聞いていても、心理的には聞いていないわけ。
途中から、別のことを考えて」しまっているんですね。
漢字の読み間違いが多発する人って、会話の途中で別のことを考える人に、実際に多いんですよ。皆さんも、実際にそんな人をご存知なのでは?

麻生さんは、言葉でやり取りするというよりも、「情緒でやり取りする」タイプ。
まさに義理人情が先に立つ人なんでしょう。
だから、逆に言うと、「人を見る目がない」状態。

だって、「敵か?味方か?」だけが判断材料なんだから、その人の能力なりバックボーンまでは判断しようとは思っていない。だから、相手の能力がわからないわけ。味方であればそれでいい。敵であれば、その時点でダメ・・・そんな感じになっているわけ。

麻生さんは、「敵か味方か?」だけが重要となっている。
ただ、それだけ相手を人間扱いはしているともいえる。だって、敵だって人間ですよ。
それに対し、以前に首相をされた小泉さんは、相手を人間というより道具だと思っている。
このような命令を出すと、このようなアウトプットがある・・・
そんな道具というか、数学的に言うと関数としてしか認識していない。

やり取りしている人が、小泉さんに対して憎しみを持っていても、「やることさえやってくれれば、それでいい。」なんて思っている。
逆に言うと、そのように道具として使いこなすから、成果をあげることもできるわけですし、成果が上がると、道具としての価値も上がる。
味方として大切に扱われても、その能力が生かされないと、結局は不満を持ってしまうもの。

たとえば、オペラハウスでの指揮者で、長期政権を樹立するような指揮者は、人格は二の次で、オペラ歌手には感情的には嫌われていたりするもの。ただ、そのオペラ歌手の能力を最大限に発揮できる指揮者なんですね。スポーツの世界でも、そんなものでしょ?

麻生さんは、「信頼よりも好意を重視」するタイプなんですね。
最初に書きましたが、麻生さん自身はダメダメ家庭のメンタリティを持っているとは言えない。ただ、「人の話を聞くことに心理的な負担」を感じる人がリーダーになってしまったら、そんな人の作った組織は、典型的なダメダメの様相を呈するようになってしまうわけ。

トップが、人の話をちゃんと聞き、その話の内容を理解し、それに対処すれば、その組織はそれなりの水準は保つもの。しかし、人の話を聞き、内容を聞き取ることが心情的に苦手なので、人から情報も集まってこなくなり、彼自身の問題意識も希薄になってしまう。
結局は、トラブルが多発し、そのトラブルに対しては、他者を犯人認定することで、自分を納得させるようになるわけ。

アタマの出来の問題よりも、人の話を聞き、内容を聞き取る意欲の問題なんですね。

このような「流れ」は、学校の教員においても見られたりするでしょ?

「人の話を聞き、その中身を理解する」意欲が欠落してしまうと、情報も集まってこないし、問題意識も希薄化してしまうので、自分で調べたり考えたりすることもなくなる。
そうなってくると、知的水準が相対的に低下してしまって、周囲からバカにされたりする。
そうなるとコンプレックスが燃え上がるようになって、だからこそ、やたら命令口調になってしまって、周囲からの情報がますます集まらないし、周囲の人の知恵を使うことも出来なくなる。

結局は、自分に甘い人々だけを周囲にはべらせるようになって、ますます現状認識ができなくなってしまう。そうして、お約束のドッカーン。
学校の教員で、よくあるパターンでしょ?

当人にダメダメのメンタリティがないからと言って、いったん、「人の話を聞き、その中身を理解する。」意欲がなくなってしまうと、加速度的にダメダメが進行してしまうわけ。
そんな人がトップにいたりすると、ダメダメな内閣なり、ダメダメな学校なり、ダメダメ家庭が出来てしまう。

そして、その組織が衰退していくと、その衰退から目を逸らさせてくれる「軽いリーダー」を求めるようになる。
ダメダメな組織は、現実を直視するリーダーは回避してしまうわけ。
そうやって、ますますダメダメが進行してしまう。

麻生さんも、本来なら、任侠の世界の方が向いているタイプ。
以心伝心で、物事が進む世界だったら、結構業績も残せるのでは?
ただ、政治という場では、やっぱり言葉が重要になるもの。それは「話す」言葉だけでなく、「聞き取る」言葉も必要になってくるわけ。

話す言葉と、聞き取る言葉にある差・・・それに注目すると、麻生さんの言動も、よく見えてくると思います。

(終了)
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発信後記

本来は、自民党という政党は、「人の話を聞く」ことを売りにしていた政党。
人の話を聞くからこそ、逆に言うと、不正や腐敗も起こったりする。
「人の話を聞かない」人が自民党のトップとなると、マーケティング的に不適合でしょうね。現在の支持率が低迷しているのも当然でしょう。

逆に言うと、麻生さんも、その点を自覚すれば、それなりに対処も可能でしょうが、何事もその自覚が一番難しいし、「人の話を聞けない」ということは、周囲のアドヴァイスも聞けないということ。だから、結果的にダメダメが進行してしまうわけ。
R.10/12/16