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カテゴリー 敵と味方
配信日 07年5月8日  (10年5月17日,11年1月13日 記述追加)
タイトル 敵vs味方の構図
ダメダメ家庭の人間は対抗心が強い
そもそも当事者意識がないので、「自分はこのようなことをやりたい!」なんて考えない。
被害者意識が強く、自分に対して被害を与えた加害者を探している状態。そして、勝手に誰かや何かを加害者として設定し、「○○に対抗する!」という形によって、自分自身を認識することになる。

それこそ、韓国では「日本に対抗する!」なんて言い続けることになっちゃいますし、関西でも「東京をやっつけろ!」なんて物言いはおなじみですよね?女性運動だって、女性の権利の拡充という形より、「オトコをやっつけろ!」なんて形になってしまっている女性運動家も多いでしょ?
あるいは、いわゆるサブカルチャーをお好きの方にも、そんなパターンとなっている方もいらっしゃいますよね?
アニメとかマンガが好きならそれでいいわけですが、一般社会において文化的とされている作品(メインカルチャーとでも言うの?)に対して対抗心を持っている方もいるでしょ?別に対抗心など持たずに、自分なりの流儀で、アニメだろうと、オペラだろうと、小説だろうと自由に楽しめばいいじゃないの?

しかし、自分自身で考えることをしないダメダメ人間にしてみれば、「○○に対抗する!」という対抗心を前面に掲げた形だと、「○○をやっつけろ!」と言っていればいいだけなんだから、ラクチン。
そして、その根底にある被害者意識から「あ〜あ、オレたちは、あの○○による被害者だ!」と嘆いていればいいだけ。
だから、そんなことをずっと続けてしまうことになる。

常に「○○に対抗する!」という発想のスタイルなんだから、人間の区分も実に単純に「敵vs味方」のような二項対立になってしまう。まあ、ちょっと発展して「敵、家族、しもべ」なんて分類の人もいらっしゃいましたが、基本的には「敵vs味方」、そんな分け方でしょ?

そんな感じで常に「敵vs味方」という発想を基本としているので、「あの人は、ワタシにとって、味方なのか?敵なのか?」などとスグに人を分類するようになってしまう。
しかし、現実においては、多くの人は「敵でも、味方でもない」存在でしょ?そもそも、そんな形で、周囲の人をスグに「敵vs味方」分類をするような人間なんて、関わり合いたくありませんよ。無理に敵になるつもりは特にないけど、味方にはなりたくない・・・そんなものでしょ?

しかし、カテゴリー分類をしたがるダメダメ人間は、多くの人間を強引に「敵vs味方」の構図に当てはめようとする。
だから頻繁に聞くことになる。
「アナタ!ほんとうにワタシの味方なの?!」

味方も何も、『じゃあ、アナタ自身はどんな目標があって、当面はどんなことをやりたいと思っているの?必要に応じアナタに協力はするけど・・・』なんて問い掛けても回答はない。
ただ、ひたすら、「ほんとうに味方なの?」と言うばかり。

それこそ、そんな人に対し『アナタ自身も問題があるのでは?』なんて言ったら、さあ大変!
早速、敵認定されちゃうことになってしまう。
しかし、本当の味方というものは、その人に対し「厳しい」ことも言ったりするものでしょ?しかし、被害者意識が強いので、そんな諫言は受け入れない。ダメダメ人間が受け入れるのは甘言のみ

まあ、諫言を受け入れないくらいなら勝手でしょう。
しかし、「敵vs味方」の構図が基本なので、そのような「途中から」厳しいことを言ったりすると、そんな人は「裏切り者」認定されちゃうんですね。

裏切りも何も、自分の考えを自分の言葉で言っただけですが、ダメダメ人間にしてみれば、「自分の考えを自分の言葉で語る」こと自体が、実感がない。
対抗心が強いダメダメ人間にしてみれば、「あの人は最初は味方だったのに、途中から、敵になってしまった。」そのように認識してしまう。
と言うことで、過激な手段で復讐することになる。
復讐というか報復行為によって、復讐に値する被害を認定し、相手を加害者認定し、自分自身を被害者認定する儀式としてしまう。

以前にも書きましたが、ダメダメ家庭の人間は、「味方よりも、敵が必要」なもの。
自分がかわいそうな被害者であることの説明のために、自分に被害を与える敵の存在が必要になっている。それに、そんなダメダメ人間が考える「味方」の 基準も、「自分のグチに付き合ってくれる。」「ワタシに同情してくれる。」あるいは、「ワタシが大嫌いなアイツを、あの人も嫌っている。」・・・ただ、そんなもの。
そんな人とのやり取りにおいては、最初は話に付き合っていても、途中からグチに付き合ってくれなくなると、もう敵認定、そして裏切り者認定されちゃうんですね。

このような点を実に的確に描いているなぁ・・・と感心したのは、以前にも取り上げました、日本のアニメの「ひぐらしのなく頃に」という作品です。
「敵なのか?味方なのか?」と周囲に問い続け、結局は、どんどんとドツボにはまってしまう女の子が出ていました。
おまけに、ダメダメ人間は、陰謀史観がお好き。
無関係な一般の人間までも、その妄想の中で敵認定されたり、裏切り者認定されてしまう。これではオウムのようなテロ事件も起こしますよ。

当人が「自分はダメダメ家庭の人間」であることを明確に自覚していて、自分自身の問題点を含めて自覚していればまだしも、その自覚のないダメダメ人間とヘタに関わってしまうと、勝手に裏切り者認定される可能性も高いものなんですね。
とりあえず、関わらなければいいわけですが、妄想から勝手に味方認定され、その後になって、勝手に裏切り者認定されてしまうと、どうしようもない。
とりあえず、そんな人たちが多い地域には近づかない・・・それくらいしかないんでしょうねぇ・・・

そんなダメダメな地域だと、「敵vs味方の構図」に強引に持ちこまれるだけでなく、その「敵か?味方か?」の分類が最重要になっているので、個人一人一人の尊厳などは、眼中になくなってしまう。自己逃避で抑圧的なダメダメ人間は、自身の信念が先にあるのではなく、「敵vs味方の関係性」が先にあるわけです。
「敵か?味方か」の関係性が先にあって、「自分自身が達成したいものが何なのか?」「そして、そのために周囲に協力を求めるとしたら、どのようなことなのか?」
そんな当事者意識に基づいた発想はない。
自分自身から逃避し、関係性だけが肥大化してしまっている。
だからこそ、周囲に対して過剰に期待して、「味方認定」したり、「敵認定」することになる。

そんな人に対し『対抗心はいいとして、アンタ自身で出来ることや、やらなければならないことをやったら?』なんて言ったりすると、「だってぇ・・・だってぇ・・・そんな面倒なことを言わなくてもいいじゃないの?ワタシたちは、一緒に○○に対抗しているもの同士でしょ?」とか「そんな細かいことを議論するより、一緒に○○と戦うことを考えましょうよ!」と、対抗心だけが増長し、個人レヴェルでは、どんどんとズボラが進行してしまう。

「敵vs味方の構図」が顕著なところって、実にズボラでしょ?
「味方であれば、なんでもOK!」
「敵であれば、何でもNG!」
こんな理屈なんだから、ズボラにもなりますよ。
敵への対抗心が優先され、自分たち自身の目的なり、尊厳がなくなってしまう。
集団を束ねるために、「共通の敵」の話題が中心となり、「共通の目的」がなくなってしまう。
逆に言うと、自分たちのズボラさを許容してもらうためにも、「敵vs味方の構図」を強調し、敵への対抗心を前面に押し出すことになる。

それこそ、かなり以前に、とある大手スーパーが、一種の価格破壊ということで、メーカーとバトルをやっていました。
そのこと自体は、消費者にとってはありがたいことといえるでしょう。
しかし、バトルが優先され、メーカーへの対抗心が中心になってしまうと、消費者のことが眼中になくなってしまう。
消費者の満足よりも、メーカーへのダメージが優先されれば、どうなっちゃうの?

消費者の満足というのは、達成するのが意外と難しい。
商品の価格が安ければいいというものではないでしょ?
しかし、メーカーへのダメージは、ある意味において判りやすい。
そして、「敵への対抗」を掲げる言葉なり行動が、ますます跋扈するようになってしまう。
そうやって、どんどんと、「原点」を忘れてしまう。

結局は、そのスーパーはおかしくなったわけですが、そのようなことは、本来は、消費者の声をちょっとでも聞いていたら、分かったはずなんですね。だって、消費者とすれば、メーカーとバトルする前に、「まずはもっと簡単なことをキッチリやってよ!」と思っていたわけですからね。

被害者意識が強いと、対抗心が強くなる。
対抗心が強いと、物事を、何でも「敵vs味方の構図」で見るようになる。
そうして、「敵への対抗」が何事にも優先され、自分たち自身を見失ってしまう。
そして、何事もズボラにやるようになってしまう。

このようなズボラさは、日々の日常だけでなく、人に対しての説明においてもそんな感じになってしまう。
自分の意向を相手に分かりやすく、客観的に伝えるというよりも、敵の悪口を並べるだけのパターンになってしまうことが多い。
そして、その論理もメチャクチャ。
「気に入らない」とかの感情を並べているだけ。
敵でも味方でもないグレーゾーンの人間と合意を形成することで、協力者にしていくという発想を持っていない。敵とか味方のレッテルを貼り付けて、その時点で、その人を認識するのをやめてしまい、思考停止になってしまう。
「敵vs味方」の構図のところでは、そんなズボラさが許されてしまう。
だからこそ、そんな「敵vs味方の構図」を温存させようとしてしまう。
だからこそ、ますますズボラさが進行し、合意形成能力も低くなる。

そんな流れは、実にポピュラーでしょ?
それこそ、無くなった大手スーパーマーケットだけでなく、韓国なんてその典型でしょ?
あるいは、小売の業界だったら、競合他社へのダメージばかりを考え、消費者への対応がズボラになっている会社も現在でもあったりするでしょ?
逆に言うと、ズボラさが目立ってくるようになったら、その進行も、かなりの状態まで来ているということ。

あるいは、ズボラではないにせよ、いわゆる左翼学生運動なんて、まさに「敵vs味方の構図」に安住しているでしょ?
そして、資本家とか、別のセクトなどの敵を叩くことばかりしていて、苦境にある労働者のことなどは眼中にない。

あるいは、自衛隊の基地の近くにいる人が、基地に対して苦言を呈したのを喜んで聞いていた民主党の人が、自分たちの問題を指摘されたら逆上したとかの事例が10年にありました。民主党の人にしてみれば、「あの近所の人は前は自分たちの味方だったのに、今度は敵対しているぞ!この!裏切り者め!」と怒ってしまったわけです。
しかし、基地の近所のその人としては、単に自身の希望なり考えを言っただけなんですね。
しかし、「敵vs味方の構図」で見ると、以前は「共通の敵」を持つ味方だったのに、今度は自分たちに敵対しているという形で認識してしまう。
裏切り者と認定されてしまったら、次には報復を受けることになってしまう。
そもそも対抗心が強い人たちなんだから、その報復行為も過激なものになってしまう。
こうなると、シャレにはならない。
しかし、基地の近所の人にしてみれば、以前の段階から自分の考えを言っているだけなんだから、「報復行為」の意味がわからず困惑してしまうのは当然のこと。

何事も「敵vs味方の構図」で見るような人たちからは早めに距離を取るようにしないと、一時的には味方とみなされることはあっても、結局は、その対抗心の矛先になってしまうだけなんですね。
後々においても、対抗心の矛先になっていないとすれば、逆に言うと、ダメダメに染まってしまっているということ。
いずれにせよ、喜ばしい事態ではないでしょ?

(終了)
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発信後記

個人的にですが、近頃、ナチス時代のドイツについて、色々な本を読んだりしています。
その中でちょっとあった記述として、その手の独裁国家は、やたら長い名前の国家機関が設立されるんだそうです。その名前の長さが、さも権威につながるとでも思っているんでしょうね。あるいは、多くの単語によって、中身のいかがわしさを隠そうという意図もあるのでしょう。まあ、国の名前自体が長い国は、そもそもがダメダメな国でしょ?

さて、ちょっと前から、韓国では、「親日・反民族行為者財産調査委員会」なる機関が、日本統治下での日本に協力した人の子孫の財産の没収を始めました。その名前の長さも、ナチス譲りですし、その資産没収という手法もナチス譲り。ただナチスと違うのは、ナチス・ドイツは曲がりなりにも法治国家だったので、過去にさかのぼって現在の法律を適用する遡及法までは手を出しておりません。しかし、サスガ韓国はすばらしい!人智では計り知れない。

過去の行為なり判断の妥当性の問題はいいとして、じゃあ、その時、どんな方法が適切だったのか?実際は、どんな状況だったのか?どんな選択の可能性があったのか?どうして、そのようなミスを犯したのか?
本来はそんな議論が重要でしょ?

しかし、当事者意識がなく被害者意識だけがあるようになってしまうと、犯人探し→犯人認定→つるし上げ で事が終わってしまうわけ。

訴求法での財産没収が日常化すると、そんな場所ではマトモに経済活動する人はいませんよ。だってお金が儲かっても、遡及法で財産没収ですからね。ちょっとでも財産ができたら、国外に持ち出すものでしょ?
それにユダヤ人であるか、ないかは何とか証明できる手段はあっても、親日派でないことは証明できないでしょ?

そもそもそんな、文明そのものにケンカを売っているような法律を、周囲の法治国家はどう見るの?遡及法を公然と適用するような人間と、何を合意してもムダでしょ?
あるいは、今後韓国の外交折衝の場において、韓国側の人だって、ちょっとでも相手に譲歩すると、「反民族的行為」ということで、遡及法で処罰されるわけでしょ?今後は外交交渉も出来なくなりますよ。
そんな人たちを、もう誰も相手にしなくなりますよ。

しかし、ダメダメな連中というのは、そのような周囲の冷たい視線を、やっぱり自分が被った被害と捉えてしまう。だから、「ワタシは悪くない!」と言うために、ますます犯人探しに明け暮れるわけ。

何も韓国の問題ばかりではなく、日本のダメダメ家庭でも、似たようなことをやっているものでしょ?
R.11/1/13