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カテゴリー ダメダメ土曜講座(トピック編)
配信日 09年6月20日
タイトル マゾヒズムの諸相
このメールマガジンで、たびたびマゾヒズムについて言及しております。
何もその手のプレイの実践的な問題を考えているのではなく、マゾヒズムの心理から見ると、ダメダメ家庭の問題もよく理解できるようになるわけです。

マゾヒズムについては、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」におけるマゾヒズムの記述を取り上げました。
マゾヒズムとは、いわば拘束感の問題といえます。

認識を拘束し、思考を拘束し、行動を拘束する。
そんな拘束感なり、被支配感なり、従属感がマゾヒズムの醍醐味と言える・・・んでしょう。逆に言うと、拘束されているので、自分では何も考えなくてもいい。
だからこそ、「考えること」からの桎梏から解放されるわけ。

その手のプレイだと、荒縄で縛るとか、色々とあるのかもしれませんが、ダメダメ家庭のマゾヒズムは、もっと高尚なもので縛られようとするものです。
自己逃避で説明能力が低いダメダメ人間は、その「縛り」の価値について説明したくないので、権威者による認定を求めることになる。
だから「権威主義」。
そして、その権威あるものを、「規範認定」したり、あるいは、「崇拝者認定」したりして、そのものに、従い、「学ぶ」ことによって、自分で考えることから逃避するわけです。

学んだ後も、自分で考えたくないものだから、「教条的」。
そして、その支配者に、「積極的に従属する」ことで、何も考えない。
そして、「支配・被支配の構図」の構図を作り上げ、自分は、被支配の側に安住するわけ。

何度も書きますが、被支配の側に安住してしまえば、精神的にラクなもの。
それは政治的なり制度的なな支配・被支配の関係というよりも、認識の次元や思考の次元での拘束を求める心理に対応している。

別の言い方をすると、「正しい」とか「正統的」な考え方を、自分も学び、従う「べき」であると、自分自身を縛る。
その問答無用ゆえに、自分で考えることから解放されるわけです。
だからこそ、その状況をゆるがすような事態になると、逆上してしまう。
認定崩壊への恐怖」を持っている。

そんな事態が発生しないように、当人の周囲の人全員が、規範となる権威者に問答無用に従属する状態であることを求めることになる。
自分で考えることが怖いので、自分とは違った考えを見たくないわけ。
そして歯向かう人間を罰しようとする。
逆説的になりますが、その手のマゾヒズムを持っている人は、往々にして攻撃的でしょ?
まさに問答無用で、気に入らない発言を封じようとしますよね?

最初にあげたエーリッヒ・フロムには、「権威主義についての考察」もあります。

マゾヒズムと権威主義は結びつきやすいものですし、その極端な例が、まさにナチスというわけ。
縛られるのがカイカンなんて・・・ヘンな人だなぁ・・・なんて傍からノンキに見ていると、痛い思いをするのはコッチになってしまう。
サディズムもマゾヒズムも、あるいは、ストーカーも、存在そのものよりも、存在との関係性に依存する心理といえます。個人で完結するスタイルの倒錯ではないわけ。関係性に依存するがゆえに、周囲の人間も巻き込んでしまう。

酔っ払ってオールヌードで公園で寝転がっているような人は、個人レヴェルで完結してしまうので、そんなヘンタイさんは、特に害はない。
むしろ、高尚なご高説を掲げ、そんな「正しい考えを学ぶ」と言っている人の方が、他者に依存している分、危険なんですね。それこそナチスなんて、まさにそんなパターン。

ホント、そんな人からは、さっさと避難しないとまずいわけです。

(終了)
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<ご連絡>
このメールマガジンは、「まぐまぐ」と「カプライト」の2つの発行元から配信しております。なんでも「まぐまぐ」が、7月1日〜3日の間、システムの全面的なリフォームを行うそうで、配信とか予約ができなくなります。

ということで、次々週の6月29日の週は、月曜日の6月29日のみの配信の予定です。水曜日、金曜日、あと土曜日も、お休みする予定です。

ちなみに、7月6日の週から、長くて連続した文章を配信する予定です。
ということで、それまでに英気を養っておいてくださいな。
R.10/12/22