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カテゴリー | ダメダメ土曜講座(表現と作品 編) | |
配信日 | 09年9月26日 | |
タイトル | 問いと答 | |
以前になりますが、バックナンバーのサイトをお読みいただいた方より、質問というか相談を受けました。 その質問の文章にあるように、メールマガジンで取り上げてもいいとのことですので、ご要望?に応えて、ここで取り上げてみます。 色々と、示唆に富む文章なんですね。ちなみに、ハンドルネームを伏せ字にした以外は、文章はそのままです。 質問の文章はここから↓ ************* はじめまして。△△と申します。ハンドルネームですがご容赦ください。 メールマガジンは申し込んでいませんが、バックナンバー収録サイトを読んでいます。 あなたの文章を読んでいて感じたのですが、私に当てはまることが多すぎて、読んでいて耳が痛いです。 直したいと考えていたり、つい目をつぶってしまうことが指摘されていました。 質問なのですが、どうすれば、ダメダメ家庭のスパイラルから抜け出せるでしょうか。 私が自分のことであると強く感じたのが、“当事者意識の欠如”と“不幸への憧れ”です。 甘えていると思って、自ら正そうとしてはいるのですが、どうにもうまくいきません。 失敗することが、まるで他人事のように感じます。 失敗することを念頭に置いて、チャレンジしようとしてしまいます。 成功することを目指していたはずなのに、いつのまにか、チャレンジすることが目的になっています。 チャレンジする途中の肉体的苦痛、また(全力を出さないがゆえの)精神的な苦痛を、周囲に訴えます。 全力で取り組まなかったことは巧妙に隠し、自分がいかに頑張ったか、そして失敗したかを訴えます。 そのようにして、つねに周囲から慰められることを求めてしまうのです。 他にもいろいろあるのですが、上記の点に関して、いちばん強く、自分を変えたいと望んでいます。 ダメダメ家庭に育ち、ダメダメ家庭を築いてしまうであろう、自分の将来が不憫でなりません。 ここでもまだ、自分の不幸として感じられないのです。やはり私は、一生このままなのでしょうか。 ダメダメである自分の不幸に酔うことからすらも、抜け出せないのでしょうか。 なにか解決の方法、考え方の糸口があれば、ご教授願います。 私のメールはメールマガジンで取り上げていただいてかまいません。 メールマガジン上で回答していただいても結構です。 ****質問の文章はここまで ↑ ***** さて、上記の文章をお読みになった購読者の方は、どのように思われますか? 上記の文章は、文章の流れもしっかりしていて、読みやすい。 それに、自分自身の問題点を的確に自覚していて、その点は、すばらしい。 そのように思われた購読者さんもいらっしゃるでしょう。 ちなみに、購読者の皆さんが、上記のような質問を誰かから受けたら、どのように考え、どのようなお返事の文章を書きますか? せっかくだから、ご自身なりにシミュレートしてみてくださいな。 ちなみに、この質問を寄せられた方への私からのお返事は、この質問を受けてから、早々にお出ししております。ただ、詳細な内容ではなく、サマリーのような内容です。 実は、この方からのメールはその一回きりなので・・・ さらに質問を受けたら、より詳細な内容のお返事を出すところなのですが、それは必要なかったというわけです。 まず、この方がご自身において自覚されておられるダメダメの要素は、決して特殊なものではなく、ダメダメ家庭出身の多くの方が持っているものでしょう。 「これって・・・まるでワタシじゃん?」と思われた方もいらっしゃるのでは? 「この方は、これだけ自覚されておられるのだから、徐々に改善に向かうだろう・・・」 そう思われた方も多いかも? ただ、ことは簡単じゃない。 上記の文章は、実にまとまっている文章であり、指摘されていることも的確。 それに私への要望もわかりやすい。 しかし、この文章の最大のおもしろさは、文章と中身の、あるいは、自覚と意欲の、問題点とその対処の、一致と不一致にあるわけ。 この方は「当事者意識の欠如」を自覚されておられます。 その自覚はすばらしい! だったら、もっと「石にかじりついても!」の気迫が必要でしょ? 私に質問するにせよ、可能な限り、多くの視点を引っ張り出したい・・・そんな「強い気持」が重要なのでは?私から提示された視点の中から、後になって自分なりに取捨選択すればいいだけ。 どうして、メールマガジンを購読しないし、継続して質問してこないんだろう? せめて、その意欲を最初に伝えることが必要なのでは? それこそ「メールマガジンの購読の手続きを取りました。これから頻繁に質問すると思いますが、よろしくお願いいたします。」の文言を入れないのはどうして? たしかに「質問した」「相談した」という形は踏んでいる。 しかし、解決へどれだけ前進したの? そんな問題になるでしょ? そして、そのような問題を、この方は、ちゃんと自覚されておられる。『成功することを目指していたはずなのに、いつのまにか、チャレンジすることが目的になっています。』なる自覚はダテではないわけ。しかし、わかっているんだったら、それを踏まえた行動をしないとね。 あるいは、この方は自覚されておられる、「不幸への憧れ」ですが、「ダメダメ家庭に育ち、ダメダメ家庭を築いてしまうであろう、自分の将来が不憫でなりません。」という記述こそが、まさにその典型といえます。 ダメダメ家庭に育ったのは、当人にはどうしようもないことですが、自身がダメダメ家庭を築くことは、とりあえずは避けることができるでしょ?新たな家庭を持たなければいいだけ。自分なりの確信を得てから新たな家庭を持つという手順を踏むことで、それなりには対処できるのでは? この文章でご自身の問題として自覚されておられる問題点が、この文章から読み取れる・・・そんな文章になっている。 ダメダメからの問題点なんて、ますは、当人自身の文章を読み直すことで見えてくることが多いものなんですよ。 さて、過去のバックナンバーとの関連で言うと、 「当事者意識の欠如」 「不幸への憧れ」 「失敗することが、まるで他人事のよう」 「失敗することを念頭に置いて、チャレンジ」 チャレンジすることが目的になって、「肉体的苦痛、精神的な苦痛を、周囲に訴えます」 自分がいかに頑張ったか、そして失敗したかを訴えます。 「周囲から慰められることを求めてしまう」 「自分の不幸として感じられない」 ご自身の問題を自覚なさっておられるのは、結構なこと。 あとは「どう対処していくのか?」という、具体的な方法論の問題になるわけです。 対処するには、自覚が必要ですが、自覚だけでも何ともならないわけ。 実は、この質問の文章で実に面白いのは、その最後の部分です。 「私のメールはメールマガジンで取り上げていただいてかまいません。」 「メールマガジン上で回答していただいても結構です。」 と、同じ意味の記述がご丁寧に繰り返されている。 その意味は? それって、逆に言うと、個人宛のメールでは、回答しないでほしい・・・そんな意味なんですね。 メールマガジン上での回答だったら、購読しなければ、接しなくて済む。 しかし、個人宛のメールで「直撃」を食らったら、タマラナイ!と言うか、「恐ろしい」。 そんな心情が見えてくるわけ。 なにせ、『私に当てはまることが多すぎて、読んでいて耳が痛いです。』文章を書く人から狙いすまして直撃を食らったら、どんな事態になってしまうのか? そんな心配なり恐怖は、購読者の皆さんも、よく理解できるでしょ? しかし、まあ、逆も真なりなんですよ。 相手を見た上での指摘だからこそ、オブラートに包んだり、そのオブラートも相手に合わせて厚みを調整したりもできますよ。あるいは、直撃にならないように、的を外して指摘することもできる。私だって鬼じゃないよ。 不特定多数を相手にした文章だと、逆に言うと、指摘のぼかし方やオブラートの調整が難しい。 実は、私宛の質問には、「メールマガジン上で回答していただいても結構です。」なる文言が多いんですよ。これで何回目かなぁ・・・よっぽど直撃が怖いのかな? ダメダメな要素を一つでも、改善するためには、それこそ血のにじむような思いをしなくてはならないもの。安直にはいきませんよ。逃げ場所を意識した腰の引いた状態での質問では、何も前進しませんよ。ホント、自覚されているように、当事者意識を持ってことに当たらないとね、 さて、私からこの方に宛てたお返事の中身は、昨日配信した内容のサマリーです。 まあ、直撃を怖がっていたようですので、まずはサマリーにしたわけです。 ダメダメを無理に除去しようとするのではなく、ダメダメとの距離感の問題だし、もっと重要なのは、何か自分で達成したいものを持ち、掲げ、その実現のために、自分なりに努力すること。 この方は、まさに「ふつう」の「減点のない」「いい子」になろうとしているようですが、逆に言うと、だからこそダメダメがスパイラル進行することになってしまうわけです。 自分の問題点を自覚をすると同時に、何か自分でやり遂げたいものを、明確に掲げる・・・そのための方法論こそが、ダメダメとの距離感を作っていくもの。 「ふつうになりたい!」というのは、一見は、ちゃんとした目標のようですが、それって、単に「目立った減点をなくしたい!」というだけでしょ? いわば二重否定のスタイルですよね?そうではなく、肯定形の目標を掲げる・・・それが重要になるわけです。 (終了) *************************************************** 発信後記 土曜日のシリーズの文章も増えてきましたので、新たなカテゴリーとして「表現と作品」というカテゴリーを設定いたしました。 ちなみに、新たに総目次として、文章タイトルの50音分類での総目次を設定すべく、現在作業をしているところです。 50音分類なので、目次というだけでなく、ある種の索引になるように、タイトルだけでなく、エピソード的なものも、そこから探せるようにしたいと思っております。 |
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R.10/12/27 |