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カテゴリー ダメダメ家庭の会話の雰囲気
配信日 08年9月15日
タイトル 捨てセリフの匂い
「コノヤロー!覚えていろよ!」
そんな「捨てセリフ」については、以前に配信しております。
上記のような典型的な捨てセリフは、それこそテレビの時代劇などではおなじみのようですが、それに似た「捨てセリフ」が頻発している領域となると、インターネットの掲示板ですよね?
やり取りが熱くなって、罵倒しあい、そして片方が「捨てセリフ」を残して去って行き、残った方が、「オレはアイツを論破してやった!」と勝手に自画自賛。

そもそもダメダメ人間は、「勝ち負けにこだわる」傾向を持っています。序列意識が強いので、常にその序列を意識することになる。その序列はと言うと、基本的には「勝ち負け」で決定する。だから、「オレはアイツに勝った!」・・・「だからアイツより序列が上なんだ!」と思いたいわけ。

そのような序列意識の問題だけではありません。ダメダメ家庭の人間の発想は減点法であって、常にマイナスの面を意識することになる。だから「相手に負けた」自分を認めるのがイヤなんですね。

それにダメダメ家庭の人間は当事者意識がない。自分でやりたいことそのものがない。だから会話においても、相手にわかってほしいこと、それ自体もない。唯一、判ってほしいことと言えば、「ワタシがかわいそうな人間であることをわかってほしい!」それくらい。
だから尊厳が何もない状態。だからこそ捨てセリフのようなものを平気で言えるわけ。

このような捨てセリフは、上記のような「チンピラ系」と言うか「乱暴系」の物言いだけではありません。それこそ、以前に「捨てセリフ」を取り上げた際に触れましたが、「説教系」の捨てセリフもあるわけ。いわば「上からの物言い」を最後に投げつけることによって、「自分は、オマエより上の序列なんだぞ!」と自分に納得させるわけです。

それこそ、いささか猪突に「これからはアンタも、こうするんだぞ!」「これからは、みんなの言うことをよく聞くんだぞ!」なんて上からの立場で言い出すわけ。そう言って、さっさとトンズラして、もう2度と戻って来ない。

まさに「オレが負けたんじゃないんだ!」「オレの方が序列が上なんだ!」「今回はたまたま事情があって、アイツの理屈に反論できないけど・・・ホントウは・・・」
と、自分で自分を納得させるわけ。

この説教系のセリフは、言葉そのものは、多少丁寧ですし、形の上では思いやりがあるように聞こえたりする。しかし、結局は捨てセリフの一種なんですね。
捨てセリフというものは、何よりも、「自分を納得させる」ためのもの。
言葉使いが丁寧とかの問題ではないわけ。

「アイツとの会話や、やり取りから逃げたい!」
「しかし、自分は負けたわけではない!」
「アイツの言葉を納得したわけではないんだ!」
「今の時点では、たまたま、ちょっと席を外すけど・・・」

それを自分に言い聞かせているだけなんですね。

だから、このような捨てセリフは、チンピラ系や説教系以外にも様々なヴァリエーションがあったりします。
たとえば「かわいい系」の捨てセリフのケースもあります。
媚を売るようなしぐさをして、トンズラするわけ。

「じゃあ、またね!ハート。」
なんてムダに『ハート』なる文字をつけたりする。あるいは、最近では絵文字を使ったりとか。まあ、この手の絵文字は色々とヴァリエーションもありますよね?その手の表現は、くだけたやり取りには有効でしょうが、シリアスなケースでは不可でしょ?しかし、シリアスな状況であるがゆえに、まるで「媚」を売るような感じで、持ち出してくるわけ。
シリアスなやり取りで、そんなオチャラケが出てくれば、呆気に取られて何も言えませんよ。そうやって、相手の虚を作りトンズラしてしまうわけ。

その他にも「だってぇ・・・だってぇ・・・もういいじゃないのぉ?」あるいは、「ワタシ・・・また失敗しっちゃった・・・エヘっ」なんて表現を使ったり・・・「ワタシってかわいそうな人間なのよ!そんなにイジメないでよ!」そんな言葉を残してトンズラするわけ。
このパターンは、それなりに負けを認めることで、それ以上の突っ込みを回避するための捨てセリフといえます。いわば、弱者系の捨てセリフといえます。

そのような「ワタシは、か弱いお子チャマなのよ!」と言うような媚を売るスタイルとは逆の方向の捨てセリフもあります。子供ネタを使った、いわば保護者系の捨てセリフです。
「子供が起きてきたから、この辺りで・・・」「今からちょっと子供を迎えに行きますので・・・」なる表現が、メールの末尾にあったりするもの。

子供の状態が変わって、その対応を親として行うのは当然でしょう。じゃあ、その後は?子供への対応を終えた後は?メールの文章の続きを書くの?
しかし、そんなことはしないものなんですよ。

「今、ちょっと、子供の都合で席を外すけど、ワタシはアナタに同意したわけではないのよ!」
「反論したいんだけど、子供の関係で、ちょっと席を外さなければならないから・・・」
「私は今現在、親として都合が悪い・・・だから・・・もう何も言わないで!」

そんなスタイル捨てセリフになるわけ。
皆さんも、接したことがあるのでは?

あるいは、これまたポピュラーなのが「ふてくされ系」の捨てセリフ。

「はい!ハイ!わかりましたよ!」
とか、
「はい、はい・・・アンタの言うとおりですよ。そうすればいいんでしょ?!」
また、それを丁寧な表現にすると、「アナタの言うことを素直に聞くことができた!」
なんて言葉になったりします。

「アナタの言うことを素直に聞くことができた!」なんて言葉はいかにも丁寧に思う方もいらっしゃるでしょうが、要は「これ以上は、もう何も言わないで!」と言うこと。
結局は捨てセリフの一種なんですね。
いわば、降伏系の捨てセリフといえます。

あるいは、別の丁寧な捨てセリフとなると「謝罪系」の捨てセリフがあります。
「ごめんさない」「すいません」などの謝罪の言葉を連発したり、あるいは「全部わたしが悪いんでしょ?」なる言葉で、要は「もう何も言わないで!」という気持ちを表明するわけ。

あるいは、「ペンディング系」の捨てセリフだと、よくあるのが前記の子供ネタの捨てセリフですが、その他にも、「後でまた来る。」とか「また後でメールする。」とペンディング状態を作り出してトンズラするわけ。
ペンディング状態のままなので、何も解決していないし、合意もない状態となっている。
しかし、だからこそ、「アイツの言っていることに自分は納得したわけではないんだ!」と自分自身を納得させることができるわけ。

結局は、メールのやり取りでも、インターネットの掲示板でも、顔を合わせてのやり取りでも、もうこれ以上やり取りを続けたくないと思っている。そのように考えること自体は、その人の自由でしょう。ただ、そのことを自分でも認めたくないわけ。
「この人とのやり取りはこれで終了にしたい。」と自分自身で自覚できていない状態のまま。
だから、ある種の理由などを持ち出してくることになる。

スタイルにはヴァリエーションがあっても、捨てセリフとは、

今までのやり取りの流れを断ち切り、
「ワタシは悪くない、負けたわけではない。」と自分自身に確認し、
「もうアンタはワタシに対して何も言うなよ!」というメッセージを相手に発するもの。

捨てセリフというものは、自分を納得させるものであって、相手に納得してもらうためのものではないわけ。
だから聞いている側にしても意味不明となる。
意味不明な分、余計に相手の感情を不快にさせることになる。

それに、その手の捨てセリフの意味を、自覚して使っている人は滅多にいないもの。そもそも捨てセリフとは自分を納得させたり、騙したりする手段なんだから、それを自覚しようがないわけ。だからその手の捨てセリフを何回も繰り返すことになる。だから捨てセリフ慣れしてしまうわけ。

捨てセリフ慣れしている人には、なんとなく、かなり早い段階から、その「匂い」がある。
最後の捨てセリフを発する以前の段階でのやり取りから、言葉の端々に、そんな「匂い」が漂っているものなんですよ。

相手よりも、自分を納得させる表現なので、わかりにくい。
都合が悪くなると、スグに逃げるので、表現に腰が引けている
そしてスグに自己弁護。

そんな人に限って、最初の頃は、「どうして、皆はワタシのことをわかってくれないの?」「みんなはワタシのことを悪く言うのよ!」と同情を引こうとするもの。
そんなグチというか、疑問に対して『じゃあ、具体的には何をわかればいいの?』『相手の人から、どんな言い方をされるの?』なんて聞いても返答はない。返ってくるのは、まさに様々なヴァリエーションの捨てセリフだけなんですね。

様々な表現のパターンはあっても、それが捨てセリフの一種であることを理解すると、そんな表現を発した人や、そんな表現に対して、的確に対処できるようになるわけ。
まあ、最近はその手の捨てセリフに対する嗅覚は、政治の世界でも要求されているでしょ?福田総理の多くの発言は、まさに最後の捨てセリフを発する前から、上記の「捨てセリフ」の原則にのっとったものでしょ?最初からその「匂い」がありましたよね?

自己逃避のダメダメ人間は、その手の捨てセリフが実に多いもの。
私もこんなメールマガジンを発行しているので、ずいぶんといただいておりますよ。上記の捨てセリフのヴァリエーションは実際体験としてコンプリートしています。皆さんも、ガンバッてコンプリートしてね。あるいは、別のヴァリエーションの捨てセリフがありましたら、ご連絡くださいな。

捨てセリフというものは、確かに「言われる」と不快になるものですが、「言われる」側と「言う」側のどっちに尊厳があるのか?
それについては自明のことでしょ?だから「言われ慣れ」することも必要になってくるわけ。
序列意識があるから捨てセリフを発するわけですが、発した側の人間のレヴェルというか序列が上であることはありえない・・・それが捨てセリフというものでしょ?

(終了)
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発信後記

自民党の総裁選で、麻生さんが当選になりそうですが・・・
政治信条なりスタイルなりはともかく、麻生さんは何回も落選して、それでも立候補している点は評価できるのでは?
減点法のダメダメ人間は、自分のマイナス面を受け入れることができないので、「勝つとわかっている」勝負しかしなかったりするもの。
そんな人は、自分のマイナスと直面すると、どうしていいのかわからずに、捨てセリフを投げつけてトンズラしてしまう。

今のところの総理大臣の福田さんですが、「勝つとわかっている」勝負しかしない人でしょ?「勝つために必死で準備する」ことと、「勝つとわかっている勝負しかしない」とは違うわけ。

福田さんは今まで、どんな「負け」をしたんだろう?
たぶん、負けたことがないのでは?
福田さんも上手に負けることができないがゆえに、総選挙も出来なかったわけでしょ?
だからこそ、まさにドッカーンとなってしまう。
まあ、この点は、民主党の小沢さんも大同小異ですが。

負けた状態を受け入れることができない心理となると、学校の成績などにおいて、皆が同じ成績評価とかの例もありますよね?
そのようなマイナスを受け入れられない心理は、「どんなことがあっても、やり遂げたいこと」がない・・・という抑圧的な心理につながっているわけ。プラスがないがゆえに、マイナスをなくそうとする。

そんな人は、結局は大きなマイナスをしてしまうもの。
世の中って、そんなものでしょ?
R.10/12/13