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カテゴリー ダメダメ家庭が持っていない発想
配信日 07年9月28日 (10年7月19日 記述を追加)
タイトル 積み重ね
ダメダメ家庭を考えるに際し、「似て非なるもの」に注意すると、よく見えてくる・・・このメールマガジンでは、そんなことを、よく書いたりしています。

その一例として「学ぶ」という言葉を取り上げたことがあります。
「学ぶ」と「考える」は、一見似ているようですが、大きな違いがあります。「考える」ことは、様々なことに疑問を持つことが必要でしょ?それに対し、「学ぶ」は、言われたことを、鵜呑みにすればいいだけ。

自分で考えることから逃避するダメダメ人間は、「考える」という言葉ではなく、「学ぶ」という言葉を使いたがるものなんですね。
それこそ、「学ぶ」という言葉について考えた際に触れましたが、「ドメスティック・ヴァイオレンスについての正しい知識を学びましょう!」なんて物言いになってしまう。

いわば権威主義で問答無用になっている。受け手が疑問を持たずに、とにかく受け入れるように、上からの立場で要求する。まあ、そんな問答無用な態度だからこそ、結果的にドメスティック・ヴァイオレンスに陥ってしまう。
そんなわかりやすいヒントに気がつかない人間は、暴力を振るわれても、何ともししようがない。周囲がヘタに助けると、当人が「被害者という立場」を獲得し、周囲から「構ってもらえる」という成功体験を得てしまうだけ。まずは本人の自覚が先ですよ。その自覚がないと、周囲の干渉によって一時的に解決しても、結局は同じ事態の繰り返しとなってしまう。結局は、トラブルが積み重なるだけ。だって中身は全然変わっていないわけですからね。

さて、似て非なる言葉といえる「学ぶ」と「考える」ですが、それらが、まさに積み重なった状態も、やっぱり「似て非なるもの。」
「学ぶ」ことが積み重なると、「知識」なり「学力」となるでしょ?
しかし、「考える」ことを積み重ねると、「知性」なり「思考力」となりますよね?

この「思考力」についても、以前に配信しております。それなりの学歴があって、学力があっても、じゃあ、「思考力」があるか?というと、これは別問題。
それこそ、「思考力」について触れた際に例示しましたが、「ふつうの人が、ふつうに働いて、幸せを感じられる社会を作るべき。」とおっしゃった政党党首は、学歴は申し分ない。しかし、そんな意味不明なことを堂々と語る人の思考力なんて、ほとんどゼロでしょ?
そのような人は、「学ぶ」積み重ねを経て、知識なり学力は習得しても、知性なり思考力は、習得してはいない。だって、「考える」ことは、積み重なっていないわけですからね。

とは言え、そんな人にも、曲がりなりにも「学力」はある。つまり、積み重ねはやってきている。
実は、ダメダメ家庭の人間は、この「積み重ね」と無縁になるケースが結構多い。

そもそも、当事者意識がないので、自分の力で何かを達成したいなんて、普段から思っていない。達成したいものがないので、そのためにコツコツと努力するなんてことはしない。どんな分野においても、「積み重ね」とは無縁になっている。

そんな人は、他の人の「知性」なり、あるいは「知識」に接しても、その背景にどんな積み重ねがあるのか、わからない。どんな積み重ねがあるのか、わからないというより、積み重ねがあること自体がわからない。もちろん、このことは「学んだ」積み重ねといえる「学力」でも同じ。それなりの学力の子供にどんな積み重ねがあるのか理解できない。というより積み重ねそのものが理解できない。
そんな積み重ねとは無縁の人間も、他の人の「知性」なり「知識」なり「学力」をうらやましがったりすることもある。ということで、「知性」や「学力」のありそうな人に質問することになる。
「ねぇ・・・アナタ・・・色々とよく知っているわねぇ・・・どうやって、そんなに多くの知識を身につけたの?」

知性なり知識のある人は、知識も知性も、積み重ねで得ていくしかないことが、基本的な常識になっているので、質問してきた人が積み重ねをすることを前提に「こんな本がいいのでは?」「日頃から、こんなことをしたら?」などと回答することになる。
実際に、そんな回答しかできませんよ。

しかし、そんな回答をもらっても、積み重ねに縁がないダメダメ人間には釈然としない。そもそも積み重ねという概念が理解できないんだから、積み重ねの元となる「要素」を説明されてもピンと来ない。「そんな細かいことが、いったい何になるの?」そう思うだけ。

積み重ねと縁がないダメダメ人間が期待している回答は、むしろこんな感じの回答なんですね。
「えーとぉ・・・このワタシの知識は、ネット・オークションで落札して、入手したのよ!」とか、
「朝6時から並んで、やっとゲットすることができたわ!」

いわば、服装かアクセサリーと同じ扱いとなっている。
そんな考えを持っている人とのやり取りでは、言葉は飛び交っていても、もともとの常識なり前提が全然違っているので、結局は、お互いが「あの人・・・いったい何を言っているの?」となってしまう。

その手の人は、石のブロックを「積み重ねる」ことによって、教会の大聖堂になることが実感として理解できない。まさに石のブロックを見せられて、「なんなの?この石は?」と思うだけ。
それこそ「コッチは教会の大聖堂の作り方を聞いているのに、あの人は、ヘンな『石ころ』を見せてくれただけだ!あの人・・・アタマがヘンじゃないの?」と思ってしまうことになる。
挙句の果てに、「あの人は、知識をゲットする方法を教えてくれない!なんてケチな人だ!」と恨まれてしまうことに。

ギャグを書いていると思われる方も多いでしょ?
しかし、当事者意識のないダメダメ人間は、何かを「積み重ね」で習得することが、心理的にわからないので、それと似たことをやっているものなんですね。

積み重ねを理解できないので、何かを積み重ねる作業を、丹念に、辛抱強く行う発想もない。だから、そんな人たちは、辛抱強さとは無縁であり、スグにラクをしたがるもの。
まあ、そんな本人がバカをやるのは、それこそ、本人の勝手でしょう。しかし、そんな人が子育てをしたら?
だって、「積み重ね」というものを理解できない人が親となった家庭なんですよ。そんな家庭はどうなってしまうの?
そんな人が、子供をどうやって育てるの?
子供がコツコツと努力していても、親の方が、
「もっとカンタンな方法があるだろう!」
「そんな面倒なことをやっていて、後で、親に迷惑をかけるなよ!」
そのように言うだけ。

世の中には、小さなことを積み重ねていくしか達成できないものが多いでしょ?
その代表の一つとしては、「自信」というものがあります。
自分に自信を持つためには、小さなことでも、自分なりにやり遂げて行き、そんな成果を積み重ねていくしかないでしょ?
そして、成果を出す当人なりの方法論が確立できれば、その人なりの自信となっていくわけでしょ?
実績なり成果を示すことができない状態だったら、あるいは、成果を出すための見通しが何もない状態だったら、根拠のない自負心を持つことはできても、本当の意味での自信は持ちようがありませんよ。

何も難しいことをしなくても、日記を1年間休まず書き続けたでも、早朝マラソンを毎日やったでも、それは成果であり実績でしょ?そんなことをやり遂げた自分自身について振り返れば、それなりの自信になるでしょ?
しかし、それは当事者意識があるからできるだけで、受け身の立ち位置でいれば、何かを達成するために、積み重ねていくこととは無縁になってしまう。

あるいは、ダメダメ家庭の親は、子供がチャレンジすることを喜ばない。
子供がチャレンジするとなると、子供へのサポートを要求されることに視点が向かい、親としての被害ばかりに目が行ってしまう。
そんな環境なんだから、子供もチャレンジができず、結果的に何も達成できない。
何も達成できていないんだから、自信どころではありませんよ。

あるいは、「積み重ね」によって達成されるものの代表例が、信頼というものでしょ?
誰かを好きになることは瞬間でできるでしょう。それこそ一目惚れなんてこともありますからね。しかし、一目で信頼することなんてないでしょ?
依頼すれば、対処してくれるという経験の積み重ねが信頼につながっていくわけでしょ?
親だからとか、上司だからという立場が、「信頼される」ことを保証するものではないでしょ?

その昔に、「大臣になったんだから、このワタシのことを信頼しなさい!」なんて「命令」した政治家がいましたが、立場だけでは、信頼は勝ち取れませんよ。日々の会話の積み重ねが必要でしょ?
まあ、そんな政治家がどうなろうと、どうでもいいことですが、あれと同じようなことを、ダメダメな親もやっていたりするもの。
まさに、あの大臣と同じように、「ワタシはオマエの親なんだから・・・ワタシを信頼しなさい!」と厳命したりする。
しかし、そんなことを命令する親は、子供の話などまったく聞かないもの。
結局は、会話の不全が積み重なるだけ。

そんな親がやっているのは、罪を重ねることだけなんですね。

(終了)
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発信後記

本文中に言及した元大臣さんですが・・・
新しく誕生した福田内閣にいつものように悪態をついていますが・・・
たまには悪態もいいけど、じゃあ、アンタはいったいどうしたいの?がわからない。

もう悪態のスペシャリスト扱い。
悪態ばかりついているので、その悪態もエスプリがない。

彼女のご尊父はかつて、目白の闇将軍なんて言われましたが、
彼女自身は、目白の野次将軍ですねぇ・・・・
R.11/2/14