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カテゴリー ダメダメ土曜講座(事件・トラブル編)
配信日 08年12月13日
タイトル 厚生省次官経験者襲撃事件
さて、土曜日に、特定の事件を取り上げ、その事件の背景となったダメダメな心理を取り出した文章を配信しております。
今回は、ちょっと前に騒ぎなった、厚生省事務次官経験者への襲撃事件の犯人について考えてみます。
子供時代に、かわいがっていた犬を、保健所で処分された恨みとか、あるいは自己顕示欲とか・・・
報道などでは、いつものように、わかったような、わからないような、説明が飛び交っていますよね?

あのような大きな事件も、ダメダメ家庭の発想がわかっていると、すんなりと理解できるものです。犯人の出身家庭が、というよりも、犯人の父親が会話不全の問答無用の人間であると仮定すると、犯行に至る筋道がすっきりと理解できるわけです。

さて、ダメダメ家庭は、精神的に余裕がないので、動物をかわいがらないことは、頻繁に触れております。
そして、動物などに対する「むごい」振る舞いを子供の前でしたりする。
と言うことで、子供としては、「次にむごいことをされるのは、ボクの番だ!」と恐怖におののくことになる。
そんな父親は権威主義であって、権威から遠い存在である子供の話は聞かない。
権威が大好きだし、子供の教育にお金をかけたくないので、国立大学が好き。
しかし、地方国立大学だと、周囲の学生は、規格品の「よい子」ばかりなので、ダメダメ家庭出身者は、周囲に理解者が存在せずに閉塞感を持つことになる。

ちなみに、犯人は山口県出身とのことですが、どうして佐賀大学に進学したの?
地元の山口大学に行けばいいじゃないの?どうせ、地方国立大学なんて、みんな一緒でしょ?佐賀大学よりも山口県に近い場所にある九州大学は、国立大学というよりも帝国大学だから、山口大学とはちょっと違う。しかし佐賀大学に進学するくらいだったら、本来は地元の山口大学で十分じゃないの?
しかし、犯人が、家族の元から離れたかったという心理を理解すると、佐賀大学への進学も理解できるでしょ?それだけ、内心では父親や自分の出身家庭を嫌っていたわけ。ただ当人はそれを自覚していなかったわけです。

ここで、父親への敵意を自覚すればいいわけですが、それを抑圧してしまう。
(ちなみに、上記文章の前半部分は必読です。)
ということで、抑圧状況における犯人探しをすることになる。

父親への敵意を自覚することを抑圧しているので、父親と同質性のある存在で、かつ異なった存在を犯人認定することになる。
犯人にしてみれば、霞ヶ関の高級官僚は、「上の立場から、下のものへ問答無用に命令を下す」存在として認識しており、その点において、父親のイメージと共通している。
だから、自分が持っている父親への敵意を、霞ヶ関の高級官僚への敵意に「すり替え」、すり替えた先を犯人認定することになる。
そうして「悪いのは全部、霞ヶ関の官僚のせいだ!」と自分を騙すようになり、そうやって、自分が持っている父親への敵意を認めることから逃避するわけ。

現実的には、霞ヶ関の高級官僚などは、自分の問題とは無関係であるので、本来は論理的に無理がある。だから、その官僚を「犯人認定する儀式」をすることで、自分自身を納得させる。
逆に言えば、無理な論理を自分に納得させるためにも、その儀式は劇場的で大掛かりな様相を持つ必要がある。

犯人自身は自分を騙している状態なので、当人が持つ父親への敵意が自覚できていない。
それに「つられて」周囲の人間も、犯人が持つ父親への敵意というか殺意が認識できていないわけです。
犯人が自分をだますついでに、周囲の人もだまされてしまうわけです。
この事件の本質は、自分をだますために「語った」言葉ではなく、「語られない」部分にあるわけです。

ダメダメ家庭の心理がわかっていると、実にわかりやすい事件でしょ?

まあ、普段のメールマガジンの文章を理解していると、これくらいは簡単に解読できるはず。予習はともかく、復習をしていた人には簡単な問題だったでしょ?
ということで・・・期末試験の解答でした。

(終了)
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発信後記

どうも山口県では強圧的な父親が多そうです。
そんな存在を仮定すると、理解しやすい事件が多く発生しておりますからね。
父親への敵意というものは、それを自覚することが難しい。だから、内在する敵意が対象を求めて、やたら周囲に「当り散らす」ようなことをやってしまったりするもの。
山口県出身の政治家というと、現在では民主党の菅さんがいらっしゃいます。彼がまさに「当り散らす」人であることは有名ですよね?

政治信念はともかく、彼がそのような「父親への敵意」を自覚していれば、もう一皮むけた政治家になれたでしょう。まあ、政治家というものが、その手の自己逃避人間の巣窟なので、それを認識するのが難しいんでしょうが。
R.10/12/15